長谷寺

長谷寺[淨土宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

鎌倉駅の西南約2km、山腹にあり石段を上った先、長谷の市街や由比ヶ浜、葉山の海浜などが見え景趣に富んでいます。本堂には約9mの巨大な十一面観音の立像が安置されています。足利尊氏が仏体を修飾し、室町時代の明徳3年(1392年)義満が光背を奉納したと伝わります。

本堂内に国宝の銅造十一面観音懸仏があり、その数6面、そのうち次の銘文があるものは現在鎌倉国宝館へ出陳されています。

敬白奉造立御聖体壱面 新長谷寺観世音菩薩御宝前右為依命 宿願成就奉造之処也 現世安穏後生善処子孫安楽無病延命 造進如件 嘉暦元年十月九日 安部光能敬白

なお本堂のそばには大きな銅鐘があり次の露出銘があります。

新長谷寺 椎鐘威力 十方施主 排除不祥 消除灾難 心中所願 決空成就 檀波羅密 具足円満 文永元年甲子七月十五日 当寺住持真光 勧進沙門浄仏 大工物部季重

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
十一面観音懸仏(鎌倉長谷寺)

令和に見に行くなら

名称
長谷寺
かな
はせでら
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
神奈川県鎌倉市長谷3-11-2
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西南約二粁、山腹にあり石段によつて達し、長谷の市街、由比ケ濱、葉山の海濱等が見え景趣に富んで居る。本堂には約九米(三丈)の巨大な十一面觀音の立像が安置されて居る。足利尊氏が佛體を修飾し、明德三年義滿が光背を奉納したと云ふ。

本堂內に國寶の銅造十一面觀音懸佛があり、その數六面、そのうち次の銘文あるものは今鐮倉國寶館へ出陳されて居る。

敬白奉造立御聖體壹面 新長谷寺觀世音菩薩御寶前右爲依命 宿願成就奉造之處也 現世安穩後生善處子孫安樂無病延命 造進如件 嘉曆元年十月九日 安部光能敬白

尙本堂の傍には大なる銅鐘があり次の露出銘がある。

新長谷寺 椎鐘威力 十方施主 排除不祥 消除灾難 心中所願 決空成就 檀波羅密 具足圓滿 文永元年甲子七月十五日 當寺住持眞光 勸進沙門淨佛 大工物部季重

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