楞厳寺

楞嚴寺[臨濟宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

笠間駅の西北7km、北山内村片庭、仏頂山の麓、勝景の地にあり、鎌倉時代に笠間の城主藤原時頼の創建した寺と伝えています。その山門は非常に優雅な室町時代の建築で、国宝に指定されています。この門を入って約三丁西に薬師堂があり。江戸時代の建築です。屋根切妻造茅葺の四脚門です。本尊千手観音の立像[国宝]は木造漆箔高さ約2.1m、背後に「建長□年従五位上行長門□」の刻銘があります。欠損した文字があって、不明なところがありますが、藤原時朝であることは明らかで、岩谷寺薬師、石寺弥勒堂の弥勒像とともに時朝の造立したものです。なお山門を入ってすぐ右に時朝の墓と伝わる五輪塔があります。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
楞厳寺
かな
りょうごんじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
茨城県笠間市片庭775
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西北七粁、北山內村片庭、佛頂山の麓、勝景の地にあり、鐮倉時代に笠閒の城主藤原時賴の創建した寺と傳へて居る。その山門は頗る優雅なる室町時代の建築で、國寶に指定されて居る。この門を入りて約三丁西に藥師堂があり。江戶時代の建築である。屋根切妻造茅葺の四脚門である。本尊千手觀音の立像[國寶]は木造漆箔高さ約二米一(七尺)、背後に「建長□年從五位上行長門□」の刻銘がある。缺損した文字があつて、不明な所があるが、藤原時朝であること明で、岩谷寺藥師、石寺彌勒堂の彌勒像と共に時朝の造立したものである。尙山門を入りて近く右方に時朝の墓と傳ふる五輪塔がある。

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