百草の阿弥陀像

百草の阿彌陀像
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

京王電車百草停留場の西南700m、南多摩郡七生村百草、百草園内の八幡神社にあり銅製の坐像で次の銘文があります。

敬白治磨金銅影像法体弥陀座光三尺六寸 奉為皇帝 日本主君 当国府君 地頭名主 御願円満 安穏泰平 信心法主 子孫平安 悉地成就 師長父母 二親亡魂 助成合力 同共往生 乃至法界 平等利益 建長二年 大歳庚戌 孟夏之天 七日壬力 南間浮提 日本武州 多西吉富 真慈悲寺 施主源氏 願主 仏子慶祐敬白

銘文中に多西吉富とあるのは、昔多摩郡が多東、多西の2郡に分かれていた頃の多西郡吉富で、真慈悲寺は鎌倉幕府の祈祷所でした。本像はその寺の本尊だったものと思われます。この点で歴史的な価値のあるものです。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
百草の阿弥陀像
かな
もぐさのあみだぞう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
備考
通常は非公開ですが、9月の例大祭で公開されます。
住所
東京都日野市百草867
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

同百草停留場の西南七〇〇米、南多摩郡七生村百草、百草園內の八幡神社にあり銅製の坐像で左の銘文がある。

敬白治磨金銅影像法體彌陀座光三尺六寸 奉爲皇帝 日本主君 當國府君 地頭名主 御願圓滿 安穩泰平 信心法主 子孫平安 悉地成就 師長父母 二親亡魂 助成合力 同共往生 乃至法界 平等利益 建長二年 大歲庚戌 孟夏之天 七日壬力 南閒浮提 日本武州 多西吉富 眞慈悲寺 施主源氏 願主 佛子慶祐敬白

銘文中に多西吉富とあるは、中古多摩郡が多東、多西の二郡に分かたれた頃の多西郡吉富で、眞慈悲寺は鐮倉幕府の祈祷所であつた。本像はその寺の本尊であつたのであらう。かゝる點で歷史的價値あるものである。

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