和歌浦天満宮
天滿宮
昭和初期のガイド文
東照宮西隣の山麓にあります。社伝によると平安時代の康保年間(964~968年)の創建と称していますが、現存社殿は安土桃山時代の慶長年間(1596~1615年)浅野幸長の再建で、高欄の擬宝珠に「紀伊国和歌天満天神浅野紀伊守豊臣朝臣幸長再興慶長拾乙已年五月朔日」とあります。
本殿[国宝]は五面二面、単層、屋根入母屋造檜皮葺で、正面向拝上に千鳥破風を設けた珍しい構造です。向拝の桝組にも極彩色を施し、蟇股内には牡丹に唐獅子、竹に虎などの彩色彫刻を有する華麗な建築でよく桃山時代の風尚を発揮しています。
※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 和歌浦天満宮
- かな
- わかうらてんまんぐう
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 和歌山県和歌山市和歌浦西2-1-24
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
東照宮西鄰の山麓にある。社傳によると康保年閒の創建と稱して居るが、現存社殿は慶長年閒淺野幸長の再建で、高欄の擬寶珠に「紀伊國和歌天滿天神淺野紀伊守豐臣朝臣幸長再興慶長拾乙已年五月朔日」とある。
本殿[國寶]は五面二面、單層、屋根入母屋造檜皮葺で、正面向拜上に千鳥破風を設けた珍らしい構造である。向拜の桝組にも極彩色を施し、蟇股內には牡丹に唐獅子、竹に虎などの彩色彫刻を有する華麗な建築でよく桃山時代の風尙を發揮して居る。