和歌山・海南・有田

わかやま・かいなん・ありだ

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和歌山・海南・有田ガイド

和歌山から紀勢西線で南下し、東和歌山、紀三井寺を経て、日方町を過ぎれば黒江湾岸に沿って西進し、10数個のトンネルを潜り、塩津港を右窓に眺めて加茂郷に至ります。ここからは南進するにしたがい左右の連山がすべてミカン山であるのが目立ち、下津を通って箕島に着きます。

箕島からは有田川北岸に沿って東に走り、紀伊宮原を過ぎ、有田川を渡って南折し藤並に至ります。ここからは有田鉄道(金屋口、藤並、海岸間9.1km)が南北に分かれています。紀伊湯浅を経てさらに南進すれば、右窓はるかに湯浅湾口に浮ぶ苅藻島、鷹島が望まれ、まもなく由良の長いトンネル(1,884m)に入ります。紀伊由良では由良港への貨物線を西に分岐し、再び小坊師峰の長いトンネル(1,713m)を潜り紀伊内原を通って御坊に着きます。

御坊から東に走り道成寺を経て、南に折れて日高川を渡り、和佐を過ぎれば山間を南進して稲原を通って印南に至ります。ここからは海岸に沿って走り、切目、岩代を過ぎて南部に着きます。南部からはさらに海岸に沿って屈曲し、東南に進み、芳養を経て、熊野地方西の玄関田辺に至ってとどまります。この線はさらに東に延び、参宮線相可口から西に分岐する紀勢東線に連なり、紀伊南海岸の幹線となる予定です。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

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