新淀川

新淀川
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

淀川は宇治川の下流で、大阪市を貫流し、屈曲してたくさんの派流があります。この川の氾濫を防ぐため、明治年間新たに直線の河道が開鑿され、新淀川ができました。その長さは毛馬閘門付近から大阪湾まで14,469mあり、平均の幅713m、干潮時の水深2.4mに達し、長柄橋、十三橋、淀川大橋等八橋を架してあります。長柄橋の下流約10mに起伏堰を設けてあります。その構造は平時に流水がある部分の幅198mに堰板83枚を嵌入し、平時は20度の傾斜として流下する河水をおおむね堰止め、出水の際はこれを河底面に倒して全水量を放下するようになっています。堰板1枚は高さ2m弱、幅1mあまりあります。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
新淀川
かな
しんよどがわ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
備考
都島区付近で旧淀川と分流した下流部分です。旧淀川のほうは大川と名前を変えます。
住所
大阪府大阪市
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

淀川は宇治川の下流で、大阪市を貫流し、屈曲して數多の派流をして居る。この川の氾濫を防ぐため、明治年閒新に直線の河道が開鑿され、新淀川が出來た。その長さ毛馬閘門附近から大阪灣まで一四、四六九米あり、平均の幅七一三米、干潮時の水深二米四に達し、長柄橋、十三橋、淀川大橋等八橋を架してある。長柄橋の下流約一〇米に起伏堰を設けてある。その構造は平時流水ある部分の幅一九八米に堰板八十三枚を嵌入し、平時は二〇度の傾斜に起して、流下する河水を槪ね堰止め、出水の際はこれを河底面に倒して全水量を放下する樣になつて居る。堰板一枚は高さ二米弱、幅一米餘ある。

大阪市北部のみどころ