大阪府立貿易館

大阪府立貿易館
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

市電内本町二丁目下車、内本町の東横堀川に面してあります。構内1万8,000m²のなかに、石造2階建の本館1,200m²、煉瓦造平家建ての中央館600m²、木造平家建ての南館800m²および附属図書館があります。元は府立商品陳列所と呼ばれ、古く明治23年(1890年)に創立されたものです。昭和5年(1930年)1月から現在の名称に改め、外国貿易の助長や府下の商工業助長、また工芸品の紹介展示や一般産業貿易思想の普及を業務とし、なかでも通商貿易の振興には最も力を注ぎ、取引紹介貿易実務幇助、調査研究等はその業務の中核となっています。

本館には海外市場における日本製品と対抗の外国物品や、府下製産品で輸出を主とする各種の商品見本を常時展示して無料公開しているほか、随時世界各国の国情を紹介し、貿易の振興に資するための展覧会や、商工省主催の工芸展覧会などを開催し、一般に観覧できるようになっています。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
大阪府立貿易館
かな
おおさかふりつぼうえきかん
種別
見所・観光
状態
現存しない
備考
昭和62年(1987年)に廃止となりました。跡地は「マイドームおおさか」となっています。記念碑が立っています。

日本案内記原文

市電內本町二丁目下車、內本町の東橫堀川に面してある。構內一八〇アールの中に、石造二階建の本館一二アール、煉瓦造平家建中央館六アール、木造平家建南館八アール及び附屬圖書館がある。元府立商品陳列所と稱し、古く明治二十三年に創立された。昭和五年一月より現稱に改め、外國貿易の助長府下の商工業助長竝に工藝品の紹介展示及び一般產業貿易思想普及を業務とし、就中通商貿易の振興には最も力を注ぎ、取引紹介貿易實務幇助、調査硏究等はその業務の中核である。

本館には常時海外市場に於ける本邦品と對抗の外國物品や、府下製產品にして輸出を主とする各種の商品見本を展示して無料公開する外、隨時世界各國の國情を紹介し、貿易の振興に資する爲の展覽會や、商工省主催の工藝展覽會等を開催し、公衆の縱覽に供して居る。

大阪城・淀屋橋のみどころ