三菱神戸造船所

三菱神戶造船所
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

市電和田岬下車、神戸港の西南をおさえる和田岬にあります。明治38年(1905年)8月三菱合資会社の所属として営業を開始、大正6年(1917年)10月から三菱造船の所属となりました。敷地30万m²内に170棟、10万m²の工場および倉庫をもち、職員700名、職工4,500名が作業に従事しています。構内海上には2個の防波堤を築き、ドック、繋船壁、浮標等が完備し、陸上には和田岬駅から分岐する専用の鉄道引込線があり、構内各部を連絡する専用軌道網も遺憾なく行きわたって、ロコモティブクレーンも多くあります。造船台は4台あり、第一、第二、第三の3台は陸上の部の長さ約122m、水中部の長さおおよそ33.5m、幅員9mあまりで、重量一万トンのものを建造することができます。ドックは3個あり、浮揚重量の第一は7,000トン、第二は1万2,000トン、第三は1万6,000トンです。船舶の製造修繕のほか、発電機、機関車、鉄管等も製造します。

※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行

令和に見に行くなら

名称
三菱神戸造船所
かな
みつびしこうべぞうせんじょ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
兵庫県神戸市兵庫区和田崎町1-1-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

市電和田岬下車、神戶港の西南を扼する和田岬にあり。明治三十八年八月三菱合資會社の所屬として營業を開始、大正六年十月から三菱造船會社の所屬となつた。敷地三十ヘクタール內に百七十棟、十ヘクタールの工場及倉庫を有し、職員七百名、職工四千五百名が作業に從事して居る。構內海上には二個の防波堤を築き、船渠、繋船壁、浮標等が完備し、陸上には和田岬驛から分岐せる專用の鐵道引込線があり、構內各部を連絡する專用軌道網も遺憾なく行き亙つて、ロコモチブクレーンも多い。造船臺は四臺あり、第一、第二、第三の三臺は陸上の部の長さ約一二二米、水中部の長さ凡三三米半、幅員九米餘で、重量噸一萬噸のものを建造することが出來る。浮船渠は三個あり、浮揚重量噸第一は七千噸、第二は一萬二千噸、第三は一萬六千噸である。船舶の製造修繕の外、發電機、機關車、鐵管等も製造する。

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