大龍寺
大龍寺[古義眞言宗]
昭和初期のガイド文
市の北部山地、諏訪山から北3kmの再度山(多々部山)(468m)の山上にあり、空海の開創とされます。坂路八町には町石を建て、山上に本堂、庫裡、鐘楼、客殿、籠堂、観音堂、不動堂等があります。奥の院には弘法大師像を安置しています。この付近は山海の眺望に富む景勝地です。毎月21日の縁日には参詣者が多くあります。
寺伝に如意輪観音という木造菩薩立像一軀は高さ152cmの一木彫で、肉身に薄く漆を着せ毛髪は漆を盛り上げて表現しています。この手法と様式から見て奈良朝の造像であることが知られ、いかにも高雅な風格を備えた像で国宝に指定されています。
※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 大龍寺
- かな
- たいりゅうじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 兵庫県神戸市中央区神戸港地方再度山1
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
市の北部山地、諏訪山から北三粁の再度山(多々部山)(四六八米)の山上にあり、空海の開創と稱する。坂路八町には町石を建て、山上に本堂、庫裡、鐘樓、客殿、籠堂、觀音堂、不動堂等がある。奧の院には弘法大師像を安置して居る。この附近は山海の眺望に富む勝地である。每月二十一日の緣日には參詣者が多い。
寺傳に如意輪觀音と云ふ木造菩薩立像一軀は高五尺一木彫で、肉身に薄く漆を著せ毛髮は漆を盛り上げて居る。この手法と樣式から見て奈良朝の造像であることが知られ、如何にも高雅な風格を備へた像で國寶に指定されて居る。