常福寺
常福寺[淨土宗]
昭和初期のガイド文
瓜連駅の東北約1km、瓜連村にあり、寺域は古の瓜連城跡と伝え、室町時代の延文年間(1356~1361年)了実上人によって開かれ、2世了誉上人の時に世に知られるようになりました。
- 宝物
- 拾遺古徳伝絵[国宝] 9巻 紙本著色 第9巻の末尾に「元亨三歳己亥十一月十二日奉図画之、願主釈正空」とあります。拾遺古徳伝絵は法然上人の絵伝で、上人が叡山に入り天台の教義を修め浄土教を弘通した生涯中に起こった重なるでき事を描いています。その絵は詞書とあいまって鎌倉時代の浄土思想を示すものとして貴重な資料であり、かつ各所に描き出された公卿および武人の図は、鎌倉時代風俗を如実に描写しているので、有職故実の参考となるものが少なくありません。またこれを芸術的作品として見る時は鎌倉末期における土佐派の筆意を伝えたもので、わが絵画史上における貴重な遺品です。
- 法然上人画像[国宝] 1幅 絹本著色 鎌倉時代 上部に「光圀偶得黒谷空公古画肖像恭奉納浄鑑院云 元禄癸酉年」と墨書されています。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 常福寺
- かな
- じょうふくじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 茨城県那珂市瓜連1222
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
瓜連驛の東北約一粁、瓜連村にあり、寺域は古の瓜連城址と傳へ、延文年閒了實上人によつて開かれ、二世了譽上人の時に名高くなつた。
- 寶物
- 拾遺古德傳繪[國寶] 九卷 紙本著色 第九巻の末尾に「元亨三歲己亥十一月十二日奉圖畫之、願主釋正空」とある。拾遺古德傳繪は法然上人の繪傳で、上人が叡山に入り天臺の敎義を修め淨土敎を弘通した生涯中に起つた重なる出來事を描いて居る。その繪は詞書と相俟つて鐮倉時代の淨土思想を徵すべき貴重なる資料であり、且つ各所に描き出された公卿及武人の圖は、鐮倉時代風俗を如實に描寫せるが故に、有職故實の參考となるものが少くない。またこれを藝術的作品として見る時は鐮倉末期に於ける土佐派の筆意を傳へたもので、わが繪畫史上に於ける貴重な遺品である。
- 法然上人畫像[國寶] 一幅 絹本著色 鐮倉時代 上部に「光圀偶得黑谷空公古畫肖像恭奉納淨鑑院云 元祿癸酉年」と墨書されて居る。