白雲山小松寺

小松寺[眞言宗智山派]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

内原駅の北11km、小松村上入野にあり、自動車の便があります。平重盛の臣平貞能が故主重盛の菩提を弔うために創建したと伝えています。寺後、白雲山の中腹に重盛の墓と称する宝篋印塔があります。

  • 宝物
  • 如意輪観音像[国宝] 縦8cmあまり、横7.6cm、厚さ約1.5cmの方形木板を約0.9cm彫り下げて周囲に縁を残し、なかに如意輪観音の坐像を生肉彫で現しています。全面木地のままで宝冠、珠縵、光背などにおいて特に精妙な刀法を現し、藤原時代の特徴を有する優秀な作です。寺伝によると平重盛が生前念持仏として所持したもので、真能がこの寺に持ちこんだものといいます。裏面に徳川光圀の刻文があります。
  • 十二天画像 12幅 絹本著色 託摩派の仏画で室町時代の天文9年(1540年)に修補した裏書があります。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
白雲山小松寺
かな
はくうんざんこまつじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
茨城県東茨城郡城里町上入野3912
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

內原驛の北一一粁、小松村上入野にあり、自動車の便がある。平重盛の臣平貞能が故主重盛の菩提を弔ふために創建したと傳へて居る。寺後、白雲山の中腹に重盛の墓と稱する寶篋印塔がある。

  • 寶物
  • 如意輪觀音像[國寶] 竪八糎餘(二寸八分)橫七糎六(二寸五分)、厚約一糎半(五分)の方形木板を約〇糎九(三分)彫り下げて周圍に緣を殘し、中に如意輪觀音の坐像を生肉彫で現はして居る。全面木地のまゝで寶冠、珠縵、光背などに於て特に精妙なる刀法を現はし、藤原時代の特徵を有する優秀なる作である。寺傳によると平重盛が生前念持佛として所持したもので、眞能が當寺に持ち來つたものと云ふ。裏面に德川光圀の刻文がある。十二天畫像 十二幅 絹本著色 託摩派の佛畫で天文九年に修補した裏書がある。

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