常福寺の薬師像
常福寺藥師像[國寶]
昭和初期のガイド文
土浦駅の西南約2.5km、町の郊外下高津常福寺の客殿に安置されています。木造、結跏趺坐の像で、高さ約1.2m、体軀雄大、面貌豊満神巌にして、眼を細く開き、左手に薬壺、右手に説法の印を結んでいます。もと全面に漆箔を施したものですが、現在は顔面の一部分にわずかに残るのみで、ほかはすべて剥落し、木地あるいは布の下地を露出しています。しかしそれがためかえって刀法の遒勁なことが判り、鎌倉初期の優秀な作風が見られます。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 常福寺の薬師像
- かな
- じょうふくじのやくしぞう
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 茨城県土浦市下高津2-10-22
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
驛の西南約二粁半、町の郊外下高津常福寺の客殿に安置されて居る。木造、結跏趺坐の像で、高さ約一米二(四尺)體軀雄大、面貌豐滿神巖にして、眼を細く開き、左手に藥壺、右手に說法の印を結んで居る。もと全面に漆箔を施したものであるが、今は顏面の一部分に僅か存するのみで、他は悉く剥落し、木地或は布の下地を露出して居る。然しそれがため卻つて刀法の遒勁なることが判り、鐮倉初期の優秀なる作風が見られる。