甲斐善光寺
善光寺[淨土宗]
昭和初期のガイド文
酒折駅の西北約1.5km、里垣村にあります。室町時代の永禄年中(1558~1570年)武田氏が信州の善光寺を模して建立した寺で、一時信州善光寺の本尊を移したことがあったと伝えています。現在の本堂は天明年間の建築で七間十一面重層入母屋造、正面および左右両側に向拝を付した大建築です。本堂には本尊阿弥陀三尊のほかに国宝に指定された阿弥陀如来の坐像が2体安置されています。木造で漆箔を残し、いずれも高さ約1.8m、上品上生の印を結び、両脇に日光月光菩薩の立像があります。形相いずれも豊麗優美にして平安時代の特徴をもちその作は非常に優秀です。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 甲斐善光寺
- かな
- かいぜんこうじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 山梨県甲府市善光寺3-36-1
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
酒折驛の西北約一粁半、里垣村にある。永祿年中武田氏が信州の善光寺に模して建立した寺で、一時信州善光寺の本尊を移したことがあつたと傳へて居る。今の本堂は天明年閒の建築で七閒十一面重層入母屋造、正面及左右兩側に向拜を附した大建築である。本堂には本尊阿彌陀三尊の外に國寶に指定された阿彌陀如來の坐像が二軀安置されて居る。木造で漆箔を存し、何れも高さ約一米八(六尺)、上品上生の印を結び、兩脇に日光月光菩薩の立像がある。形相何れも豐麗優美にして平安時代の特徵を有しその作頗る優秀である。