高尾山薬王院

高尾山藥王院(有喜寺)[新義眞言宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

浅川駅の西南4.4km、高尾山(海抜602m)の頂上にあり、駅から山麓まで自動車、山麓から八合目までケーブルカーの便があります。境内は広く大小の堂宇寺房が散在し、飯縄権現堂は本社とも称し、その拝殿および本殿は入母屋造の神社建築です。

高尾山は全山ほとんど密林に覆われ、新緑紅葉ともに美観を呈します。奥の院の西には十二ヶ国見晴堂と称する峰があります。西南に富士山が望まれ、東南は東京湾、相模湾のあたりが見え眺望が非常に広いところです。山頂の寺域外は御料林で、内外各種の樹木を植え、いっそう風致が加えられています。なお山中には琵琶滝、蛇滝の勝があります。近年遊覧を兼ねて登山する人が多く、寺内に宿泊の便があります。また林道伝いに大だるみに出て与瀬駅に下る道もあります。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
高尾山薬王院
かな
たかおさんやくおういん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
東京都八王子市高尾町2177
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西南四粁四、高尾山(海拔六〇二米)の頂上にあり、驛から山麓まで自動車、山麓から八合目までケーブルカーの便がある。境內廣く大小の堂宇寺房散在し、飯繩權現堂は本社とも稱し、その拜殿及本殿は入母屋造の神社建築である。

高尾山は全山殆んど密林に覆はれ、新綠紅葉共に美觀を呈する。奧の院の西には十二ケ國見晴堂と稱する峯がある。西南に富士山が望まれ、東南は東京灣、相模灣のあたりが見え眺望が甚だ廣い。山頂の寺域外は御料林で、內外各種の樹木を植ゑ、一層風致が加へられて居る、尙山中には琵琶瀧、蛇瀧の勝がある。近年遊覽を兼ねて登山するもの多く、寺內に宿泊の便がある。また林道傳いに大だるみに出て與瀨驛に下る道もある。

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