武蔵御嶽神社
御嶽神社[府社]
昭和初期のガイド文
青梅鉄道御岳駅から山麓滝本まで約4km。自動車の便があります。そこから本社まで約4km、本殿は神明造で、明治年間(1868~1912年)の建築、櫛真知命、相殿に大己貴命、少彦名命を祀ります。拝殿は丹塗で江戸時代後期の天保年間(1830~1844年)の建築です。本殿の後に旧社殿があり、一間社流造で徳川初期の特徴を残しています。
宝物館には甲冑、刀剣、馬具、懸仏、古鏡、鰐口、灯籠、祭典具、棟札、古文書などを陳列しています。
- 宝物
- 赤糸威大鎧[国宝] 1領 鎌倉時代の建久2年(1191年)に畠山重忠が奉納したものと伝え、日本に現存する大鎧のなかの優秀な作で鎌倉時代のものです。明治年間に大修理が加えられた結果非常に新しく見えます。
- 紫裾濃大鎧[国宝] 1領 鎌倉末期
- 螺鈿鐙鞍[国宝] 1背 鎌倉時代 その鐙の形式は舌長と称するもので類の少ないものです。
- 鍍金長覆輪太刀[国宝] 1口
- 黒漆太刀[国宝] 1口
- 鍍金銅製釣灯籠 1対 大久保石見守の奉納したもので江戸時代前期の慶長11年(1606年)の銘文あり。
- 鰐口 1個 建武五年戌寅三月安部国家武蔵金剛蔵王権現鏡大工入河重吉
御岳山上には旅館はありませんが、古来神社と密接な関係をもち、多くの講中を宿泊させる御師の家が20軒あまりあって、参詣人に宿泊の便を与えています。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 武蔵御嶽神社
- かな
- むさしみたけじんじゃ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 東京都青梅市御岳山176
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
同御嶽驛より山麓瀧本まで約四粁。自動車の便がある。それから本社まで約四粁、本殿は神明造で、明治年閒の建築、櫛眞知命、相殿に大己貴命、少彥名命を祀る。拜殿は丹塗で天保年閒の建築である。本殿の後に舊社殿があり、一閒社流造で德川初期の特徵を存して居る。
寶物館には甲冑、刀劍、馬具、懸佛、古鏡、鰐口、燈籠、祭典具、棟札、古文書などを陳列して居る。
- 寶物
- 赤絲威大鎧[國寶] 一領 建久二年に畠山重忠の奉納せるものと傳へ、わが國現存の大鎧中優秀なる作で鐮倉時代のものである。明治年閒に大修理が加へられたる結果頗る新しく見える。
- 紫裾濃大鎧[國寶] 一領 鐮倉末期
- 螺鈿鐙鞍[國寶] 一背 鐮倉時代その鐙の形式は舌長と稱するもので類の少いものである。
- 鍍金長覆輪太刀[國寶] 一口
- 黑漆太刀[國寶] 一口
- 鍍金銅製釣燈籠 一對 大久保石見守の奉納したもので慶長十一年の銘文あり。
- 鰐口 一個 建武五年戌寅三月安部國家武藏金剛藏王權現鏡大工入河重吉
御嶽山上には旅館はないが、古來神社と密接な關係をもち、多くの講中を宿泊せしむる御師の家が二十餘軒あつて、參詣人に宿泊の便を與へて居る。