石貫穴観音横穴
穴觀音橫穴[指定史遺]
昭和初期のガイド文
ナギノ横穴の西北0.5km、石貫村安世寺にあります。凝灰岩の崖に西南面して3個並列し、構造ほぼ同様で最も大型な中央の穴は構造が非常に精巧で、内部には左右に床を造り、奥壁には造出した石厨子があり、瓦葺を模して瓦当を付けた廂が前方に挺出しています。奥壁の中央に舟形光背形に彫り窪めて千手観音立像の浮彫があります。これは従来平安時代初期の作とされ、開口後に施されたものと考えられ、またさらに遡り奈良時代のものとして当初からの作とする説もあります。なお、その前に石造千手観音坐像(平安時代中期)が安置されています。
※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 石貫穴観音横穴
- かな
- いしぬきあなかんのんよこあな
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 熊本県玉名市石貫字安世寺2387
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
那岐橫穴の西北半粁、石貫村安世寺にある。凝灰岩の崖に西南面して三個竝列し、構造ほゞ同樣で最も大形な中央の穴は構造が頗る精巧であつて、內部には左右に床を造り、奧壁には造出した石厨子あり、瓦葺を模して瓦當を附した廂が前方に挺出して居る。奧壁の中央に舟形光背形に彫り窪めて千手觀音立像の浮彫がある。これは從來平安時代初期の作爲とせられ、開口後に施されたものと考へられ、また更に遡り奈良時代となし當初からの作爲とする說もある。尙、その前に石造千手觀音坐像(平安時代中期)が安置されて居る。