大山寺の不動明王像

大山寺不動明王像[國寶]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

阿夫利神社への途中、大山の中腹にある大山寺の本尊です。高さ約98cm、結跏趺坐の像で前に二童子の立像があり、高さ各約65cm、いずれも鉄製です。本尊は右腕を広く張って三鈷劔を持ち、左腕は肘を張って羂索をとり、肉付もたくましく不動明王にふさわしい魁偉の形相がよく現われています。鋳造の面は粗雑ですがかえって豪壮な感じがします。その形相や手法などに鎌倉時代の特徴をもち、鉄仏としてはまれに見る大作です。この像はもと山頂の阿夫利神社にあったもので大山寺は同社の別当でした。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
大山寺の不動明王像
かな
おおやまでらのふどうみょうおうぞう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
神奈川県伊勢原市大山724
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

阿夫利神社への途中大山の中腹にある大山寺の本尊である。高さ約九八糎(約三尺二寸三分)結跏趺坐の像で前に二童子の立像があり、高さ各約六五糎(二尺一寸五分)何れも鐵製である。本尊は右腕を廣く張つて三鈷劔を持ち、左腕は肘を張つて羂索をとり、肉付逞しくして不動明王にふさはしい魁偉の形相がよく現はれて居る。鑄膚は極めて粗雜であるが卻つて豪壯な感がする。その形相手法などに鐮倉時代の特徵を有し、鐵佛に於て稀に見る大作である。この像はもと山頂の阿夫利神社にあつたもので大山寺は同社の別當であつた。

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