恵日寺
惠日寺
昭和初期のガイド文
[曹洞宗] 鏡山のふもとに位置し、北九州鉄道虹の松原駅の南へ約1kmの場所にあります。洞源山という山号を持つこの寺は、国宝である朝鮮鐘を所蔵しています。この鐘は銅製で高さ約60cm、口径約51cmと、小ぶりながらも美しい形状をしており、その表面には大平6年9月の鋳造銘があります。この銘文によれば、この鐘は高麗顕宗帝の17年、つまり約900年前に朝鮮で製作されたことがわかります。また、別の刻銘には応安7年に勝楽寺に寄進されたと記されており、その後、恵日寺の所有となったと考えられています。
また、寺の庭園は、曾呂利新左衛門が手がけたと伝えられる非常に古雅な造りで、歴史的価値が高いものです。さらに、寺の門前にある畑の中の小丘は、古代日本の古墳とされ、その形がひょうたんに似ていることから「瓢形古墳」と呼ばれています。
※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 恵日寺
- かな
- えにちじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 佐賀県唐津市鏡1693
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
[曹洞宗] 同鏡山の麓にあり、北九州鐵道虹の松原驛の南約一粁、洞源山と號し、寺寶に國寶の朝鮮鐘がある。銅製高さ二尺、口徑一尺七寸、膚滑かにして形態のよく整つた美しい鐘で、身側に大平六年九月の鑄出銘がある。この文によるとこの鐘は高麗顯宗帝の十七年、卽ち今より凡そ九百年前に朝鮮で作られたことが明かにされる。また別に追刻された銘文には應安七年勝樂寺に寄進したことが記錄してあるから、當寺の所有に歸したのはその後のことである。
當寺の庭は曾呂利新左衞門作と傳へ、頗る古雅な庭である。尙門前の畑中にある小丘は我が國上代の古墳墓で、その形が飄形をして居るので飄形古墳と稱して居る。