蒜山スキー場

蒜山スキー場
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

蒜山は伯耆国境線に沿う雄峰で、西北に山陰の名山大山に連なっています。すなわち上蒜山(1,199m)、中蒜山(1,122m)、下蒜山(1,100m)等が東西一列にそびえ、犬挟峠で山勢は衰えています。この峠は旭川谷から倉吉に通じる交通の要路です。

この蒜山の南麓はいわゆる蒜山野といわれ、優美な裾野を曳き、一帯は草原で8km²におよぶ高原となり、冬季12月下旬から3月初旬まで50cm~1mの積雪がありスキー地として優れていますが、多少交通が不便なため開発は遅れています。一般のスキー練習は多く蒜山野で行われますが、熟達者には上蒜山のスキー登山が人気のあるところで、標高700m以上はやや急斜面です。

交通は湯原温泉から倉吉に通じる自動車により、湯原からおおよそ16kmで下川井、または上長田で下車すると蒜山原の裾野で、中国勝山から湯原を経て下川井まで自動車約2時間半の行程です。最近京阪方面からのスキー家で賑わっています。エキスパートにはここから大山方面へのスキーツアーは最も面白いものでしょう。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
蒜山スキー場
かな
ひるぜんすきーじょう
種別
レジャー
状態
現存し見学できる
住所
岡山県真庭市蒜山本茅部
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

蒜山は伯耆國境線に沿ふ雄峯で、西北に山陰の名山大山に連つて居る、卽ち上蒜山(一、一九九米)、中蒜山(一、一二二米)、下蒜山(一、一〇〇米)等が東西一列に聳え、犬挾峠で山勢衰へて居る、この峠は旭川谷から倉吉に通ずる交通の要路である。

この蒜山の南麓は所謂蒜山野と云はれ、優美な裾野を曳き、一帶は草原で八粁平方に及ぶ高原をなし、冬季十二月下旬から三月初旬まで五〇糎乃至一米の積雪がありスキー地として優れて居るが、多少交通不便の爲開發は遲れて居る。一般のスキー練習は多く蒜山野で行はれるが、熟達者には上蒜山のスキー登山が興味あるところで、標高七〇〇米以上は稍急斜面である。

交通は湯原溫泉から倉吉に通ずる自動車により、湯原から凡そ一六粁で下川井、または上長田で下車すると蒜山原の裾野で、中國勝山から湯原を經て下川井まで自動車約二時閒半行程である、最近京阪方面からのスキー家で賑うて居る。エキスパートにはこゝから大山方面へのスキーツーアは最も興味があらう。

中国勝山・蒜山のみどころ