神庭の滝
神庭瀑[指定名勝]
※現代の景観です。
昭和初期のガイド文
中国勝山駅の西北約4km、勝山町にあり、途中まで自動車の便があります。中国山脈星山の奥に源を発する加茂川にかかり、高さ110m、幅9m、岡山県下第一の瀑布です。滝は秩父古生層からなる絶壁を落下し、両岸は山峰断崖屹立して樹木繁り紅葉の景色が特に美しく、遊賞の人もこの頃に多いところです。下流の渓間も岩塊大小乱堆して幾度も急瀬となり小瀑となり、滔々滝、雨垂滝はその主なものです。滝の南200mほどの渓流の右方に石灰洞があります。神庭の鬼穴といわれ、トンネル状をした狭長な洞で、奥は知られていないほど深く、猿がいるので観客に面白がられています。
※底本：『日本案内記 中国・四国篇（初版）』昭和9年（1934年）発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 神庭の滝
- かな
- かんばのたき
- 種別
見所・観光- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 岡山県真庭市神庭
- 参照
- 参考サイト（外部リンク）
日本案内記原文
中國勝山驛の西北約四粁、勝山町にあり、途中まで自動車の便がある。中國山脈星山の奧に源を發する加茂川に懸り、高さ一一〇米、幅九米、岡山縣下第一の瀑布である。瀧は秩父古生層より成る絕壁を落下し、兩岸は山峰斷崖屹立して樹木繁り紅葉の景色が殊に美しく、遊賞の人もこの頃に多い。下流の溪閒も岩塊大小亂堆して幾度も急瀨となり小瀑となり、滔々瀧、雨垂瀧はその主なものである。瀑南二〇〇米許溪流の右方に石灰洞がある。神庭の鬼穴と云はれ、隧道（トンネル）狀をした狹長な洞で、奧は知られぬ程深く、猿が居るので觀客に興がられる。