直島製錬所

直島製鍊所
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

宇野港口に横たわる直島の北岸、風戸浦にあり、宇野および高松から船便があります。三菱鉱業の経営となり、生野鉱山、佐渡鉱山、槙峯鉱山(宮崎県)などの三菱直営の諸鉱山産出鉱および買鉱を搬入して製錬しています。製錬所にはマクドーガル式焼炉、反射炉、グレートフォルス式コンバーター等を設備し、また粉炭設備としてコールドライヤー、レイモンドパルベライザーを、発電設備として蒸気タービン発電機2台を備えています。このタービンは反射炉の余熱を利用してバブコック式その他の水管式汽缶を加熱して所要電力を自家発電するものです。マグドーガル焼炉を経た焼鉄を反射炉に装入して鈹と鍰とを分離し、鍰はそのまま放棄、鈹は含金銀硅鉄を熔剤として用る、グレ一トフォルス式コンバーターで製銅します。製銅された含金銀マノードは大阪の三菱大阪製煉所に送って、電気製錬しています。昭和7年(1932年)の産出含金銀粗銅は6,495kgです。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
直島製錬所
かな
なおしませいれんじょ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
香川県香川郡直島町
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

宇野港口に橫はる直島の北岸、風戶浦にあり、宇野及高松から船便がある。三菱鑛業會社の經營にかゝり、生野鑛山、佐渡鑛山、槇峯鑛山(宮崎縣)などの三菱直營の諸鑛山產出鑛及買鑛を搬入して製鍊して居る。製鍊所にはマクドーガル式燒爐、反射爐、グレートフオルス式コンバーター等を設備し、また粉炭設備としてコールドライヤー、レイモンドパルベライザーを、發電設備として蒸氣タービン發電機二臺を備へて居る。このタービンは反射爐の餘熱を利用してバブコツク式その他の水管式汽罐を加熱して所要電力を自家發電するものである。マグドーガル燒爐を經た燒鐵を反射爐に裝入して鈹と鍰とを分離し、鍰はそのまゝ放棄、鈹は含金銀硅鐵を熔劑として用る、グレ一トフオルス式コンバーターで製銅する。製銅された含金銀マノードは大阪の三菱大阪製煉所に送つて、電氣製鍊して居る。昭和七年の產出含金銀粗銅は六、四九五瓩である。

児島・宇野のみどころ