鷲羽山

鷲羽山[指定史蹟]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

下津井鉄道鷲羽山駅下車、下津井町の東辺にあり、駅から登路約15分で頂上展望の勝境鍾秀峰に達します。標高133m、遠望すれば荒鷲が両翼を広げて飛ぶ姿に似ていることから、鷲羽山の名が起こったといいます。全山花崗岩からなり、岩石累々たるところもあり、完全に風化しているところもあります。展望に適したところは山上に5か所あります。そのなか最高の鍾秀峰からの眺望が最も雄大で、東は播磨灘から西は水島灘に至る間の海面を一望でき、松島、釜島、櫃石島、六口島等を始め、塩飽諸島、四国の山影等があるいは近くあるいは遠くパノラマ式に展開して、極度の海洋美を発揮しています。山中に先住民族石器製造の遺跡があるといいます。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行
鷲羽山からの眺望

令和に見に行くなら

名称
鷲羽山
かな
わしゅうざん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
岡山県倉敷市下津井田ノ浦
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

下津井鐵道鷲羽山驛下車、下津井町の東邊にあり、驛から登路約十五分で頂上展望の勝境鍾秀峯に達せられる。標高一三三米、遠望すれば荒鷲の兩翼を展べて雄飛するに似て居るから、鷲羽山の名が起つたと云ふ。全山花崗岩より成り、岩石累々たる所もあり、完全に風化して居る所もある。展望に適する所は山上に五ケ所ある。その中最高の鍾秀峯からの眺望が最も雄大開濶で、東は播磨灘から西は水島灘に至る閒の海面を一眸の裡に收め、松島、釜島、櫃石島、六口島等を始め、鹽飽諸島、四國の山影等が或は近く或は遠くパノラマ式に展開して、極度の海洋美を發揮して居る。山中に先住民族石器製造の遺跡があると云ふ。

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