由加山

瑜伽山
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

下津井鉄道味野町駅の東北約8km、琴浦町山村にあり、自動車の便があります。山上には由加神社[県社]および蓮台寺[真言宗]があり風光がよいところです。春は桜花の美観あり秋はキノコ狩りに好適で、特に新緑の頃のホトトギスはこの地の名物です。

由加神社は手置帆負命、彦狭知命を祭神とし、蓮台寺は瑜伽寺ともいい行基の開基と伝え、その手刻と伝わる十一面観音を安置し、海上守護、災厄除の霊験によって航海業者の信仰篤く、往古は讃岐の金毘羅宮に相対して有名で、金刀比羅参拝者は行きか帰りかどちらかにこの瑜伽山に参詣する人が多いものでした。

寺宝に国宝の池田空山寄進伝守利作の刀1口を所蔵しています。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
由加山
かな
ゆがさん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
岡山県倉敷市児島由加
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

同味野町驛の東北約八粁、琴浦町山村にあり、自動車の便がある。山上には由加神社[縣社]及蓮臺寺[眞言宗]があり風光がよい。春は櫻花の美觀あり秋は葺狩に好適で、殊に新綠の頃の杜鵑はこの地の一名物である。

由加神社は手置帆負命、彥狹知命を祭神とし、蓮臺寺は一に瑜伽寺とも云ひ行基の開基と傳へ、その手刻と傳ふる十一面觀音を安置し、海上守護、災厄除の靈驗によつて航海業者の信仰篤く、往古は讃岐の金毘羅宮に相對して著名であり、金刀比羅參拜者は往返いづれかこの瑜伽山に參詣する人が多かつた。

寺寶に國寶の池田空山寄進傳守利作の刀一口を藏して居る。

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