富川渓谷
富川の幽境
昭和初期のガイド文
諫早駅の北約10km、本明川の上流富川山にあり、川を挟み、老樹が鬱蒼とし、奇巌絶壁が両岸にそびえ、高さ約36m、長さ約300mの一枚石が河床となっています。河水は上宮滝、月潭、九淵、真珠淵等となり、河岸には釈迦、迦葉、阿難の三大仏を彫刻しているところがあり、500体の大羅漢を彫刻しているところもあります。大羅漢は両岸約1,300m²の岸壁にあって、江戸時代前期の寛永6年(1629年)春、諫早の領主茂晴が施主となって竣工したものです。またこの幽境には十一面観音、子安観音もあります。
※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 富川渓谷
- かな
- とみがわけいこく
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 長崎県諫早市富川町
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
驛の北約一〇粁、本明川の上流富川山にあり、川を挾み、老樹蓊鬱、奇巖絕壁兩岸に聳え、高さ約三六米、長さ約三〇〇米の一枚石が河床となつて居る。河水は上宮瀧、月潭、九淵、眞珠淵等をなし、河岸には釋迦、迦葉、阿難の三大佛を彫刻せるところあり、五百體の大羅漢を彫刻せるところもある。大羅漢は兩岸約一三アールの岸壁にあつて、寬永六年春諫早の領主茂晴が施主となつて竣工したものである。またこの幽境には十一面觀音、子安觀音もある。
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