長勝寺の銅鐘

長勝寺銅鐘[國寶]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

佐原駅の東北約10km、潮来町長勝寺にあり、汽船およびモーターボートの便があります。高さ約1m、口径約63cm、かつて火災にあったため、表面がややただれていますが銘文が残っています。

銘文の作者は有名な清拙和尚であってこの寺の由緒を明らかにし、大檀那崇鑑は鎌倉最後の執権北条高時です。そして元徳2年(1330年)は彼が滅亡する3年前です。このような史的関係の深い梵鐘が水郷の一寺院に現存するのも不思議な因縁です。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
長勝寺の銅鐘
かな
ちょうしょうじのどうしょう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
茨城県潮来市潮来428
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の東北約一〇粁、潮來町長勝寺にあり、汽船及モーターボートの便がある。高約一米(三尺五寸)口徑約六三糎(二尺八分)、嘗て火中せしため、表面がやゝ摩爛して居るが銘文が存して居る。

銘文の作者は有名な淸拙和尙であつて本寺の由緖を明にし、大檀那崇鑑は鐮倉最後の執權北條高時である。而して元德二年は彼が滅亡する三年前である。かゝる史的關係の深い梵鐘が水鄉の一寺院に現存するのも奇しき因緣である。

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