一向寺の阿弥陀像
一向寺阿彌陀像[國寶]
昭和初期のガイド文
宇都宮駅の西南約2.5km、市内西原町一向寺にあり、金銅製で高さ1mあまり、上品上生の印を結ぶ坐像です。その製作はやや粗大ですが、その袈裟の全面に刻書された、室町時代の応永12年(1405年)宇都宮満綱造立の銘文は、約470字の長文で注目すべきものがあります。この像は最初は満綱の建立した下河原町長楽寺の本尊でしたが、後にこの寺に移されたものです。蓮座は鉄製の鋳物ですが台座は大谷石で造られています。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 一向寺の阿弥陀像
- かな
- いっこうじのあみだぞう
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 栃木県宇都宮市西原2-1-10
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
驛の西南約二粁半、市內西原町一向寺にあり、金銅製で高さ一米餘、上品上生の印を結べる坐像である。その製作稍粗大であるが、その袈裟の全面に刻書された、應永十二年宇都宮滿綱造立の銘文は、約四百七十字の長文で注意すべきものがある。この像最初は滿綱の建立した下河原町長樂寺の本尊であつたが、後當寺に移されたのである。蓮座は鐵製の鑄物であるが臺座は大谷石で造られて居る。