宇都宮二荒山神社

二荒山神社[國幣中社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

宇都宮駅の西1.5km、市内馬場町臼ヶ峯と称する丘上、杉森のうちにあり、自動車の便があります。豊城入彦命を祀る古社で、下野国一宮として名高く、鎌倉時代幕府の崇敬も厚いものでした。これによって昔は広大な神領を有していました。社殿は明治年間(1868~1912年)に再建された神明造です。毎年1月15日および12月15日の春冬渡祭には神輿の渡御あり、田楽舞を奏し、火防の神として遠近から参拝する者が非常に多いものです。5月15日の田舞祭には昔神領地であった地方の農民が社前で田楽舞を演じます。10月21日には大祭を行い、その付祭として10月28、29の両日には神輿の渡御および古式の流鏑馬神事が催され、全市に多くの屋台を出し大いに賑わいます。宝物に鎌倉時代の建治3年(1277年)の鋳出銘がある形状奇古な鉄製の狛犬があります。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
宇都宮二荒山神社
かな
うつのみやふたあらやまじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
栃木県宇都宮市馬場通り1-1-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西一粁半、市內馬場町臼ケ峯と稱する丘上、杉森のうちにあり、自動車の便がある。豐城入彥命を祀れる古社で、下野國一宮として名高く、鐮倉時代幕府の崇敬も厚かつた、隨つて昔は廣大なる神領を有して居た。社殿は明治年閒に再建された神明造である。每年一月十五日及十二月十五日の春冬渡祭には神輿の渡御あり、田樂舞を奏し、火防の神とて遠近より參拜する者が非常に多い。五月十五日の田舞祭には昔神領地であつた地方の農民が社前で田樂舞を演ずる。十月二十一日には大祭を行ひ、その附祭として十月二十八、二十九の兩日には神輿の渡御及古式の流鏑馬神事が催され、全市に多くの屋臺を出し大に賑ふ。寶物に建治三年の鑄出銘ある形狀奇古な鐵製の狛犬がある。

宇都宮のみどころ