霊雲寺
靈雲寺[眞言宗]
昭和初期のガイド文
市内電車本郷区役所前下車、湯島新花町にあり、真言律の中興浄厳和尚が開いた寺で、江戸時代中期の元禄4年(1691年)徳川綱吉が建立したものですが、堂宇は大震火災で焼失して近年再建されました。
- 宝物
- 諸尊集会図[国宝] 1幅 絹本著色 鎌倉時代 中央に金剛界大日如来を現し、その上下左右に25の仏菩薩明王を配した画像です。
- 吉野曼荼羅[国宝] 絹本著色 鎌倉時代 幽遂な山水美を有する吉野の霊跡に21体の諸尊を配置した図像でこの種の曼荼羅でも珍しいものです。
- 十六羅漢図[国宝] 16幅 絹本著色 室町時代 宋の趣を模した室町時代初期の作品でこの種の羅漢図の優れたものです。
- 弥勒曼荼羅図[国賓] 1幅 絹本著色 鎌倉時代 弥勒菩薩を中心に現した曼荼羅図で金箔截金および色彩のぼかし染めを施した織麗複雑な仏画です。
- 天帝図[国宝] 1幅 絹本著色 明代道教図の優れたもので将軍吉宗から本寺に寄進されたものです。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 霊雲寺
- かな
- れいうんじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 状態違うが見学可
- 備考
- 第二次大戦で焼失し、現在の建物は戦後に再建されたものです。
- 住所
- 東京都文京区湯島2-21-6
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
市內電車本鄕區役所前下車、湯島新花町にあり、眞言律の中興淨嚴和尙の開いた寺で、元祿四年德川綱吉の建立に係るものであるが堂宇は大震火災に燒失して近時再建せられた。
- 寶物
- 一 諸尊集會圖[國寶] 一幅 絹本著色 鐮倉時代 中央に金剛界大日如來を現はし、その上下左右に二十五の佛菩薩明王を配した畫像である。
- 一 吉野曼荼羅[國寶] 絹本著色 鐮倉時代 幽遂な山水美を有する吉野の靈跡に二十一軀の諸尊を配置した圖像でこの種曼荼羅中の珍である。
- 一 十六羅漢圖[國寶] 十六幅 絹本著色 室町時代 宋の趣を模した室町時代初期の作品でこの種羅漢圖の上乘なものである。
- 一 彌勒曼荼羅圖[國寶] 一幅 絹本著色 鐮倉時代 彌勒菩薩を中心に現はした曼荼羅圖で金箔截金及色彩の暈染を施した織麗複雜な佛畫である。
- 一 天帝圖 [國費] 一幅 絹本著色 明代道敎圖の上乘なもので將軍吉宗より本寺に寄進したものである。