明治天皇伏見桃山陵
昭和初期のガイド文
桃山駅の東北約1km、京阪電車宇治線御陵前下車、陵は旧桃山城址の地に造営され、その姿はほぼ天智天皇山科陵と同じく上円下方で、上円、下方各々がさらに三段に築成されていますが、後面は山に寄っているので段をなしていません。上円の表面はすべて小豆島産の礫石をもって葺かれ、円丘の高さ約6m、御拝所からの総高20m、下方の最下壇は長さ60mあります。陵の周囲に内外二重の御玉垣があり内玉垣は前面石柵、正面に金色の菊花御紋章を付した青銅製門扉があり、三面は外方石垣の土塁で東西90mあります。門の外方に拝所があります。その左右に空濠を穿っています。外玉垣はすべて石柵で前面に門があります。東西127m、南北155mです。この前面幅約7m、230段の石段があり、丘麓の陵道に通じています。一般参拝者はここから上れば広い方地があり、前面に木柵があります。この柵の外から前面はるかに外玉垣および内玉垣の間から神々しい陵の姿を拝する事ができます。陵地は宇治川を脚下に見下し、遠く巨椋池を望み、非常に景趣に富んでいます。
令和に見に行くなら
- 名称
- 明治天皇伏見桃山陵
- かな
- めいじてんのうふしみのももやまのみささぎ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 京都府京都市伏見区桃山町古城山
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
桃山驛の東北約一粁、京阪電車宇治線御陵前下車、御陵は舊桃山城址の地に造營せられ、その制ほゞ天智天皇山科御陵と同じく上圓下方で、上圓、下方各々更に三段に築成されるが、後面は山に倚つて居るので段を形ち造らない。上圓の表面はすべて小豆島產の礫石を以て葺かれ、圓丘の高さ約六米、御拜所よりの總高二〇米、下方の最下壇は長さ六〇米ある。御陵の周圍に內外二重の御玉垣あり內玉垣は前面石柵、正面に金色の菊花御紋章を附した靑銅製門扉があり、三面は外方石垣の土壘で東西九〇米ある。門の外方に御拜所あり。その左右に空隍を穿つて居る。外玉垣は總て石柵で前面に門がある。東西一二七米、南北一五五米である。この前面幅約七米、二百三十級の石階があり、丘麓の御陵道に通じて居る。一般參拜者はこゝから上れば廣い方地があり、前面に木柵がある。この柵の外から前面遙に御外玉垣及內玉垣の閒から神々しき御陵の姿を拜する事が出來る。御陵の地は宇治川を脚下に見下し、遠く巨椋池を望み、頗る景趣に富んで居る。