枚聞神社

枚聞神社[國幣小社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

指宿駅の西南約15km、揖宿郡頴娃村十町にあり、自動車の便があります。開聞岳の麓に鎮座し枚聞神(開聞神)を祀ります。創始の年月は明らかでありませんが、すでに三代実録にしばしば神位昇叙の記載が見え、延喜式内の小社で、中世薩摩国一宮として崇敬され、島津氏入国の後は特に崇敬厚く、しばしば社殿の改築修理等あり、現在の社殿は江戸時代後期の天明7年(1787年)島津重豪の時に改築したものです。社宝の松梅蒔絵の櫛笥は附属品がひと通り揃っている点で珍らしく、目録も添えられていますが、目録中に室町時代の大永3年(1523年)と記載され、製作もこれから遠くない頃であると思われます。附属品、目録とともに国宝に指定されています。例祭は10月15日。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
枚聞神社
かな
ひらききじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
鹿児島県指宿市開聞十町1366
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

指宿驛の西南約一五粁、揖宿郡頴娃村十町にあり、自動車の便がある。開聞嶽の麓に鎭座し枚聞神(開聞神)を祀る。創始の年月は詳でないが、既に三代實錄に屢々神位昇敍の記載見え、延喜式內の小社で、中世薩摩國一宮として崇敬せられ、島津氏入國の後は殊に崇敬厚く、屢々社殿の改築修理等あり、今の社殿は天明七年島津重豪の時に改築したものである。社寶の松梅蒔繪の櫛笥は附屬品が一通り揃つて居る點で珍らしく、目錄も添へられて居るが、目錄中に大永三年と記載せられ、製作もこれを去る事遠くない頃であらう。附屬品、目錄と共に國寶に指定せられて居る。例祭十月十五日。

指宿のみどころ