議院(国会議事堂)

議院

昭和初期のガイド文

市内電車霞ヶ関下車。本館は鉄骨煉瓦造で、花崗石を主とする硬質石材で外壁全部を覆い、床と屋根は鉄骨鉄筋コンクリート造。中央に力形の高塔があり、上部はピラミッド型で最上部に展望室があります。2階正面に帝室御車寄せがあり、帝室御用玄関を経て中央広間に通じ、ここから帝室御用階段を昇れば3階の御便殿になります。中央広間から東廊下を右に進めば貴族院、左に進めば衆議院に至ります。両院はほぼシンメトリーに造られていて、1階正面向かって右に貴族院、左に衆議院の車寄せがあり、そこから玄関を経て広間に入り、2階に昇れば議場に入ることができます。貴族院の議場には特に玉座が設けられています。両院の地階背面にはともに傍聴人玄関があり、傍聴人階段を経て3階の議場公衆席に通じています。

敷地坪数約5万9,300m²(17,804坪)、建坪約1万2,500m²(3,740坪)、建物延坪5万m²(14,990坪)、建物正面の長さ約87m、軒高約22m、塔高約63m、総室数361室、議場坪数は両院各700m²(210坪)、傍聴席数は貴族院968席、衆議院1,137席、総工費予算2,280万円、大正10年(1921年)度から昭和7年(1932年)度までの継続事業で、大正10年(1921年)度で基礎工事の大体を完了し、大正11年(1922年)度から本建築に着手し、昭和2年(1927年)4月上棟式が挙行されました。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行

令和に見に行くなら

名称
議院(国会議事堂)
かな
ぎいん(こっかいぎじどう)
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
東京都千代田区永田町1-7-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

市內電車霞ケ關下車。本館は鐵骨煉瓦造で、花崗石を主とする硬質石材を以て外壁全部を覆裝、床及屋根は鐵骨鐵筋コンクリート造。中央に力形の高塔あり、上部はピラミツド型で最上部に展望室がある。二階正面に帝室御車寄があり、帝室御用玄關を經て中央廣閒に通ず、これより帝室御用階段を昇れば三階の御便殿に達する。中央廣閒より東廊下を右方に進めば貴族院に至り、左方に進めば衆議院に至る。兩院は略シンメトリーに造營せられ、一階正面向つて右方に貴族院、左方に衆議院の車寄があり、それより玄關を經て廣閒に入り、二階に昇れば議場に入る。貴族院の議場には特に玉座が設けられて居る。兩院の地階背面には共に傍聽人玄關があり、傍聽人階段を經て三階の議場公衆席に通ずる。

敷地坪數約五九三アール(一七、八〇四坪)、建坪約一二五アール(三、七四〇坪)、建物延坪五〇〇アール(一四、九九〇坪)、建物正面長さ約八七米(四八閒)、軒高約二二米(六九尺)、塔高約六三米(二〇九尺)、總室數三百六十一室、議場坪數、兩院各七〇〇平方米(二一〇坪)、傍聽席數貴族院九百六十八席、衆議院千百三十七席、總工費豫算二千二百八十萬圓、大正十年度より昭和七年度までの繼續事業で、大正十年度に於て基礎工事の大體を了り、十一年度から本建築に着手し、昭和二年四月上棟式が舉行せられた。

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