甲子園南運動場
甲子園南運動場
※現代の景観です。
昭和初期のガイド文
阪神甲子園線浜甲子園下車、甲子園野球場の南約1km、海浜に近く南北に横たわる象牙色の建物がそれです。球場と同じく阪神電鉄の経営で、昭和4年(1929年)5月開場です。敷地面積3万3,000m²あまり、うちラグビー場1万5,000m²、陸上トラック7,000m²、観覧席5,000m²、その他6,000m²、座席定員は2万人で、トラックは一周500m直線200mです。この運動場はシーズンの違うラグビーと陸上競技に交互に使用できるように設計され、ジャンプの砂場がスタンドの直前、直線走路より間近くにあります。なおフィールド内は一面の芝生でサッカーやラグビーの正式競技場に用いられ、シーズンに入ると、トラック上に移動観覧席2,500人分を設置して観覧に利用できるようになっています。
※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 甲子園南運動場
- かな
- こうしえんみなみうんどうじょう
- 種別
- レジャー
- 状態
- 現存しない
- 備考
- 戦時中に米軍に接収され、無くなりました。跡地は現在団地などになっています。
日本案内記原文
阪神甲子園線濱甲子園下車、甲子園野球場の南約一粁、海濱に近く南北に橫たはる象牙色の建物がそれである。球場と同じく阪神電鐵の經營で、昭和四年五月開場である。敷地面積三三〇ア一ル餘、內ラグビー場一五〇アール餘、トラツク七〇アール餘、觀覽席五〇ア一ル餘、その他六〇アール餘、座席定員二萬人を算し、トラツクは一周五〇〇米直線二〇〇米である。この運動場はシーズンを異にするラグビー及陸上競技に交互に使用し得る樣に設計し、ジヤンプの砂場がスタンドの直前、直線走路より閒近くにある。尙フイールド內は一面の芝生でサツカーラグビーの正式競技場に用ゐられ、シーズンに入ると、トラツク上に移動觀覽席二千五百人分を設置して觀覽に便する樣になつて居る。