鹽竈神社

鹽竈神社[國幣中社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

塩釜駅の西北約1km。表参道の鳥居際からすぐに200段以上の石段を登りつめたところに楼門があり、さらに唐門を入ると正面に本宮があり、右手には別宮があります。本宮には武甕槌神と経津主神を祀り、別宮には塩土老翁神と志波津彦神を祀っています。志波津彦神はもと宮城郡岩切村の志波彦神社から明治4年(1871年)遷したものです。これらの社殿は江戸時代中期の元禄8年(1695年)仙台藩主伊達綱村が造営を始め宝永元年(1704年)伊達吉村の時に竣成したのです。神前には藩主伊達周宗の寄進した灯籠、林子平の献じた日時計などがあります。境内には老杉が繁茂し桜も多く、東には昔千賀浦と言った塩釜湾を望み、極めて風致に富んでいます。この社の起源は明らかでありませんが、延喜式の主税寮式にその名が見えています。江戸時代には伊達氏の崇敬篤く、社領二千二百余石を領していました。例祭は7月10日、花祭4月25日、帆手祭10月10日。

  • 宝物
  • 糸巻太刀[国宝] 銘国光 1口
  • 黒漆太刀[国宝] 銘雲生 1口
  • (2口とも目下東京遊就館へ出陳中)
  • 太刀 30口以上 伊達綱村以後歴代藩主の奉納したもの
  • 太刀 1口 伝後藤又兵衛所持
  • 村井古岩旧蔵古写本 300冊以上
※底本:『日本案内記 東北篇(初版)』昭和4年(1929年)発行
鹽竈神社

令和に見に行くなら

名称
鹽竈神社
かな
しおがまじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
宮城県塩竈市一森山1-1
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の西北約一粁。表參道の鳥居際から直に二百餘級の石段を登りつめた所に樓門があり、更に唐門を入ると正面に本宮があり、右手には別宮がある。本宮には武甕槌神と經津主神を祀り、別宮には鹽土老翁神と志波津彥神を祀つて居る。志波津彥神はもと宮城郡岩切村の志波彥神社から明治四年遷したものである。これらの社殿は元祿八年仙臺藩主伊達綱村が造營を始め寶永元年伊達吉村の時に竣成したのである。神前には藩主伊達周宗の寄進した燈籠、林子平の獻じた日時計などがある。境內には老杉繁茂し櫻樹花卉多く、東方には昔千賀浦と云つた鹽釜灣を望み、極めて風致に富んで居る。當社の起源は明かでないが、延喜式の主稅寮式にその名が見えて居る。江戶時代には伊達氏の崇敬篤く、社領二千二百餘石を領して居た。例祭七月十日、花祭四月二十五日、帆手祭十月十日。

  • 寶物
  • 絲卷太刀[國寶] 銘國光 一口
  • 黑漆太刀[國寶] 銘雲生 一口
  • (二口とも目下東京遊就館へ出陳中)
  • 太刀 三十餘口 伊達綱村以後歷代藩主の奉納せしもの
  • 太刀 一口 傳後藤又兵衞所持
  • 村井古岩舊藏古寫本 三百餘册

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