八槻都々古別神社

都都古別神社[國幣中社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

磐城棚倉駅の南約4km近津村八槻にあります。本殿、随身門は丹塗、拝殿は白木造で、江戸時代の建築、祭神は味耜高彦根命で、日本武尊を配祀しています。延喜式内都都古別神社です。毎年旧正月6日に御田植祭、また旧11月朔から5日の間古例祭と称する神事が行われます。御田植祭には餅で作った鍬を用い、拝殿の前で種蒔から収穫までの所作をします。古例祭には籾を入れた苞を奉納します。

もとの別当を大善院と称し、文明年中道興法親王が来泊されたことがあります。明治維新の際廃されて、その宝物がこの社に移されました。その重要なものは

  • 木製朱塗円盆 福徳2年の銘があります。
  • 銅御供鉢 5箇
  • 十一面観音 立像 木彫で高さ72cm 1体 台座に天福2年の墨書銘があります
  • 金銅十一面観音 坐像 1体 室町時代
  • 金銅観音 立像 1体 室町時代
  • 古文書 永享年間の結城氏寄巡状をはじめ多数あります
※底本:『日本案内記 東北篇(初版)』昭和4年(1929年)発行

令和に見に行くなら

名称
八槻都々古別神社
かな
やつきつつこわけじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
福島県東白川郡棚倉町八槻大宮224
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

磐城棚倉驛の南約四粁近津村八槻にある。本殿、隨身門は丹塗、拜殿は白木造で、江戶時代の建築、祭神は味耜高彥根命で、日本武尊を配祀して居る。延喜式內都都古別神社である。每年舊正月六日に御田植祭、また舊十一月朔から五日の閒古例祭と稱する神事が行はれる。御田植祭には餠で作つた鍬を用ゐ、拜殿の前で種蒔から收穫までの所作をする。古例祭には籾を入れた苞を奉納する。

もとの別當を大善院と稱し、文明年中道興法親王が來泊せられたことがある。明治維新の際廢せられて、その寶物が當社に移された。その重なるものは

  • 木製朱塗圓盆 福德二年の銘がある。
  • 銅御供鉢 五箇
  • 十一面觀音 立像 木彫高七二糎(二尺四寸)一軀 臺座に天福二年の墨書銘がある
  • 金銅十一面觀音 坐像 一軀 室町時代
  • 金銅觀音 立像 一軀 室町時代
  • 古文書 永享年閒の結城氏寄巡狀をはじめ多數ある

石川・棚倉のみどころ