南湖公園

南湖公園
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

白河駅の南3km、白棚鉄道南湖駅前、江戸時代後期の寛政年間(1789~1801年)藩主松平定信が開鑿して、田園灌漑の利を計るとともに衆人清遊の地としたもので、指定の史蹟名勝地です。その由来を記した碑が湖畔月待山のほとりに立っています。碑文は藩儒広瀬典の草したものです。湖水の周囲約1.5km、湖の中央に弁才天を祀る小島があります。湖畔にはアカマツ、桜、カエデなどの樹木があって湖面に映え、西ははるかに那須岳を望み東は近く関山を望んで風景がよいところです。文化年中(1804~1818年)十六景十七勝を選んで諸国名流の士に詩歌を徴し、これを纏めて一石に刻したものが湖畔に立ち、また勝地毎にそれぞれの歌碑が立っています。

湖畔の北隅には県社南湖神社があり松平定信を祀ります。境内に定信に由縁ある羅月庵と称する古雅な茶室が保存されています。

※底本:『日本案内記 東北篇(初版)』昭和4年(1929年)発行
南湖公園

令和に見に行くなら

名称
南湖公園
かな
なんここうえん
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
福島県白河市南湖
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の南三粁、白棚鐵道南湖驛前、寬政年閒藩主松平定信が開鑿せしめて、田園灌漑の利を計ると共に衆人淸遊の地としたもので、指定の史蹟名勝地である。その由來を記した碑が湖畔月待山のほとりに立つて居る。碑文は藩儒廣瀨典の草したものである。湖水の周圍約一粁半、湖の中央に辯才天を祀れる小島がある、湖畔には赤松櫻楓などの樹木があつて湖面に映じ、西方遙に那須嶽を望み東方近く關山を望んで風景がよい。文化年中十六景十七勝を選んで諸國名流の士に詩歌を徵し、これを纏めて一石に刻したものが湖畔に立ち、また勝地每にそれぞれの歌碑が立つて居る。

湖畔の北隅には縣社南湖神社があり松平定信を祀る。境內に定信に由緣ある羅月庵と稱する古雅な茶室が保存されて居る。

白河のみどころ