山野峡

山野峽
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

井笠鉄道井原駅の北約17km、山野村にあり、高梁川の支流小田川のなか、来見、仙養、山野の3村境から山野村聖曲に至る約5kmの峡谷における山水の勝景地域をいうものです。帝釈峡に類似し、水成岩の谷深く、両岸の霊峰峙立し、瀬淵、奇岩、堰塞湖等の秀景に富み、カジカ、サンショウウオ等が棲息しています。小田川の支流原谷川に注ぐ古谷川の峡谷に竜門、竜頭、三つ滝のような絶景があって、三段峡の竜門、三段滝、三つ滝に対比される勝景です。古谷川と原谷川との合流点から原谷川を溯ること約600mに鉱泉があり、浴場宿舎の設備があります。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
山野峡
かな
やまのきょう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
広島県福山市山野町
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

同井原驛の北約一七粁、山野村にあり、高梁川の支流小田川の中、來見、仙養、山野の三村境より山野村聖曲に至る約五粁の峽谷に於ける山水の勝景地域を云ふのである。帝釋峽に類似し、水成岩の谷深く、兩岸の靈峰峙立し、瀨淵、奇岩、堰塞湖等の秀景に富み、河鹿、山椒魚等が棲息して居る。小田川の支流原谷川に注ぐ古谷川の峽谷に龍門、龍頭、三つ瀧の如き絕景があつて、三段峽の龍門、三段瀧、三つ瀧に對比せらるべき勝景である。古谷川と原谷川との合流點より原谷川を溯ること約六〇〇米にして鑛泉があり、浴場宿舍の設備を有する。

井原のみどころ