蛇の穴
蛇の穴
昭和初期のガイド文
井笠鉄道井原駅の北約16km、共和村上鴨にあり、自動車の便があります。鴨川の左岸山腹にある鍾乳洞で、洞口から奥に入るにしたがって広く、漸次低下して鴨川の河底におよび、深さ約182mに近いものです。洞内は雷地小屋、宮地小屋、石草小屋、三角小屋、地蔵穴の数室に分かれ、雷地小屋の名は鴨川の水の音が洞中に反響することから生まれたものです。蛇の穴付近は奇巌怪石が立ち、中国耶馬渓の名があり、緑葉、紅葉がこれを彩ります。右岸の高山妙福寺境内からの眺望は雄大です。
※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 蛇の穴
- かな
- じゃのあな
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 岡山県井原市芳井町上鴫
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
同井原驛の北約一六粁、共和村上鴨にあり、自動車の便がある。鴨川の左岸山腹にある鍾乳洞で、洞口から奧に入るに隨つて廣く、漸次低下して鴨川の河底に及び、深さ約一八二米に近い。洞內は雷地小屋、宮地小屋、石草小屋、三角小屋、地藏穴の數室に分かれ、雷地小屋の名は鴨川の水の音が洞中に反響するに依つて生じたものである。蛇の穴附近は奇巖怪石が峙ち、中國耶馬溪の名があり、綠葉、紅葉がこれを色彩る。右岸高山妙福寺境內からの眺望は雄大である。