妙国寺庭園
妙國寺庭園[指定史蹟]
昭和初期のガイド文
綱島線綱島駅の東0.5km、細島町観音寺の上にあります。本堂南側に構築され、東南は山を背負い南に小渓を控え、庭の東部斜面に露出している花崗岩の岩盤を加工して数個の階段を作り、水を引いてその上を流れさせ、岩盤に接して小池を設け、中島があり、木橋を架し、ところどころに庭石を配しています。庭の東から南にわっている丘陵にはシイの老樹が繁茂し、アカマツの巨樹を交え、また西南に渓谷、後方に丘を望み、山景を取り入れ、岩盤を利用し、小規模ですが特殊な想構に属します。築造の年月は明らかでありませんが、恐らく江戸時代後期の宝暦年間(1751~1764年)本堂建設の際で、明治年間(1868~1912年)に修理を経ましたがよく旧態を保存しています。東隣の観音寺から見た細島湾の景観がよいところです。
※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 妙国寺庭園
- かな
- みょうこくじていえん
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 宮崎県日向市細島
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
綱島線綱島驛の東半粁、細島町觀音寺の上にある。本堂南側に構築され、東南方は山を負ひ南方に小溪を控へ、庭の東部斜面に露出して居る花崗岩の岩盤を加工して數個の階段を作り、水を引いてその上を流れしめ、岩盤に接して小池を設け、中島あり、木橋を架し、處々に庭石を配して居る。庭の東から南に亘つて居る丘陵には椎の老樹繁茂し、赤松の巨樹を交へ、また西南に溪谷、後方に丘阜を望み、山景を取入れ、岩盤を利用し、小規模であるが特殊の想構に屬する。築造の年月は明でないが、恐らく寶曆年閒本堂建設の際で、明治年閒に修理を經たがよく舊態を保存して居る。東鄰の觀音寺から見た細島灣の景觀がよい。