都農神社

都農神社[國幣小社]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

都農駅の西北2.5km、児湯郡都農町にあります。大巳貴命を祭り、延喜式内の神社で、中古日向の一宮でした。神武天皇御東遷にあたり、宮崎宮を発向してこの地を通られた際、賊徒征伐を祈願して祀られた神社です。明治4年(1871年)国幣小社に加列しました。現在の社殿は江戸時代末期の安政年間(1854~1860年)の建築です。五穀豊穣、害虫祓除等に霊験あらたかなため、農家の参拝者が多いところです。境内は老樹が鬱蒼としています。拝殿の前に玉垣を巡らしてクスノキおよび杉の老樹がありますが、地上3mのところで杉の幹内にクスノキが枝根をおろし両樹が互いに枝を交え、古来神木として崇敬されています。例祭は11月5日。

末社滝神社は本社から1.5km、自動車の便があります。境内は老樹が多く岩壁に滝がかかり、前面に都農、川南の平野および海洋を望んで眺望がよいところです。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
都農神社
かな
つのじんじゃ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
宮崎県児湯郡都農町大字川北13294
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

都農驛の西北二粁半、兒湯郡都農町にある。大巳貴命を祭り、延喜式內の神社で、中古日向の一宮であつた。神武天皇御東遷の砌、宮崎宮を發向してこの地をよぎり給うた折、賊徒征伐を祈願して祀り給うた神社である。明治四年國幣小社に加列した。今の社殿は安政年閒の建築である。五穀豐穰害蟲祓除等に靈驗あらたかなため、農家の參拜者が多い。境內老樹鬱蒼として居る。拜殿の前に玉垣を繞らして楠及杉の老樹あるが、地上三米の所で杉の幹內に楠枝根をおろし兩樹互に枝を交へ、古來神木として崇敬されて居る。例祭十一月五日。

末社瀧神社は本社より一粁半、自動車の便がある。境內老樹多く岩壁に瀑がかゝり、前面に都農、川南の平野及海洋を望みて眺望が宜い。

日向・川南のみどころ