清水寺

淸水寺[天臺宗]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

矢部川駅の東約3.5km、九州肥筑鉄道本吉駅の東1.5km、山門郡東山村本吉清水谷にあります。行基菩薩の草創と伝え、後、慈覚大師が堂塔を増築し、洛東の清水寺に擬しましたが、安土桃山時代の天正中(1573~1592年)龍造寺隆信の兵火に罹り、現在の伽藍は江戸時代中期の宝永中(1704~1711年)の造営です。境内は極めて広く景勝に富んでいます。

本坊庭園[指定名勝] 元禄年間(1688~1704年)の作といい、築造年代は明らかでありませんが、明治初年多少の廃頽があったのみで旧態が残っています。三方を丘陵で包まれ、後方は台地の下に池を設け、右はるかに瀬瀑を望み、左近く直瀑があります。池畔の島嶼に石を配し松やハジカミがあり、山に近く清邃な泉水庭をなしています。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
清水寺
かな
きよみずでら
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
福岡県みやま市瀬高町本吉
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

矢部川驛の東約三粁半、九州肥筑鐵道本吉驛の東一粁半、山門郡東山村本吉淸水谷にある。行基菩薩の草創と傳へ、後、慈覺大師堂塔を增築し、洛東の淸水寺に擬したが、天正中龍造寺隆信の兵燹に罹り、現時の伽藍は寶永中の造營である。境內極めて廣濶で景勝に富んで居る。

本坊庭園[指定名勝] 元祿年閒の作と云ひ、築造年代は明かでないが、明治初年多少の廢頽があつたのみで舊態が存して居る。三方岡陵を以て包まれ、後方は臺地の下に池を設け、右方遙に瀨瀑を望み、左方近く直瀑がある。池畔の島嶼に石を配し松樹、椒樹あり、山に倚つた淸邃な泉水庭をなして居る。

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