対馬

對馬
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

壱岐から約69km、汽船の便があります。壱岐とは対馬海峡を、朝鮮とは朝鮮海峡を挟み、交通上も国防上も重要なところです。もともとはひとつの大きな島でしたが、現在は上島(南部)、下島(北部)の2島に分かれ、その間に浅海湾が横たわり、島形は狭長です。属島を含んで面積703km²に近く、海岸線は約945kmです。この島は主に中世紀の泥板岩からなり、島内丘陵に富み平地に乏しく、人口5万を超え、主要産物はブリ、スルメ等の水産で、林産、農産等がこれに次ぎます。古来一国で上県、下県の二郡に分かれ、現在長崎県に属して、その支庁を設けてあります。また鶏知に重砲兵大隊が置かれ、島の大部分が要塞地帯です。島内は陸上交通の便が非常に悪く、沿岸に定期船が往来します。

※底本:『日本案内記 九州篇(六版)』昭和13年(1938年)発行

令和に見に行くなら

名称
対馬
かな
つしま
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
長崎県対馬市
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

壹岐から約六九粁、汽船の便がある。壹岐とは對馬海峽を、朝鮮とは朝鮮海峽を挾み、交通上も國防上も重要なところである。もと一大島であつたが、今は上島(南部)、下島(北部)の二島に分れ、その閒に淺海灣が橫はり、島形狹長である。屬島を含んで面積七〇三方粁に近く、海岸線は約九四五粁である。この島は主に中世紀の泥板岩より成り、島內丘陵に富み平地に乏しく、人口五萬を超え、主要產物は鰤、鯣等の水產で、林產、農產等がこれに次ぐ。古來一國で上縣、下縣の二郡に分れ、現今長崎縣に屬して、その支廳を設けてある。また鷄知に重砲兵大隊が置かれ、島の大部が要塞地帶である。島內陸上交通の便が頗る惡く、沿岸に定期船が往來する。

壱岐・対馬のみどころ