十輪寺
十輪寺[淨土宗]
昭和初期のガイド文
播丹鉄道高砂駅下車、高砂町にあります。寺域は広く、境内に石塔90基あまりがあり、その中央に宝塔があります。これを高麗仏と称し、文禄年中朝鮮征伐、凱旋の途次、難風に遭って溺死した人々の霊を慰めるためにたてたものといいます。寺宝の絹本著色五仏尊像1幅は珍しい仏画で、国宝となっています。すなわち5体の坐像仏は各2体ごとに脇侍を随え、これらの仏菩薩の間には衣冠を著けた王者や官女などがいて仏菩薩を供養し、その余白は紫雲緑雲で埋めていて、中国元時代の作品です。
※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 十輪寺
- かな
- じゅうりんじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 兵庫県高砂市高砂町横町1074
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
播丹鐵道高砂驛下車、高砂町にある。寺域廣く、境內に石塔婆九十餘基があり、その中央に寶塔がある。これを高麗佛と稱し、文祿年中朝鮮征伐、凱旋の途次、難風に遭ひ溺死せし人々の靈を慰むる爲にたてたものと云ふ。寺寶の絹本著色五佛尊像一幅は珍らしい佛畫で、國寶となつて居る。卽ち五體の坐像佛は各二體宛の脇侍を隨へ、これ等の佛菩薩の閒には衣冠を著けた王者や官女などが居て佛菩薩を供養し、その餘白は紫雲綠雲で埋めて居り、支那元時代の作品である。