尾上神社
尾上神社
昭和初期のガイド文
加古川駅の西南3km、播丹鉄道尾上下車尾上村長田にあります。住吉四所明神を祀ります。神苑にある尾上相生の松と、社宝の尾上の鐘とは昔から名高く、広く世に知られています。鐘は国宝で朝鮮鐘の代表的なものです。その胴には半肉に坐像仏、天蓋、楽器、迦陵頻伽などが鋳出され、乳の間の乳は落ちて皆無ですが、元は3つがそれぞれ3行で9個ずつあった痕が見られ銘文はありません。高さ125cm、口径91cmあり、全形、細部彫刻ともに精巧なもので、高麗朝初期の作であると思われます。
※底本:『日本案内記 近畿篇 下(初版)』昭和8年(1933年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 尾上神社
- かな
- おのえじんじゃ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 兵庫県加古川市尾上町長田字尾上林518
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
加古川驛の西南三粁、播丹鐵道尾上下車尾上村長田にあり。住吉四所明神を祀る。神苑にある尾上相生の松と、社寶の尾上の鐘とは昔から名高く、普く世に知られて居る。鐘は國寶で朝鮮鐘の代表的なものである。その胴には半肉に坐像佛、天蓋、樂器、迦陵頻伽などが鑄出され、乳の閒の乳は落ちて皆無であるが、元は三箇宛三行で九箇づゝあつた痕が見られ銘文は無い。高三尺三寸、口徑二尺四寸あり、全形、細部彫刻共に精巧なもので、高麗朝初期の作であらう。