影富士
影富士
昭和初期のガイド文
山頂で見られるもので、雲海の上に投影されるものと空中に出現するものとがあります。前者は山の半腹または裾野が白雲に覆われた時、日出の後また日没前に山の円錐形をそのままに雲面に影を投げるもので薄墨色になります。後者は天気がよい日に太陽が沈むころ、東方の空に漂う塵埃や水の粒子に山影を投げるもので、日の沈むにしたがって影は高くなっていきます。
※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
令和に見に行くなら
- 名称
- 影富士
- かな
- かげふじ
- 種別
- 見所・観光
- 状態
- 現存し見学できる
- 住所
- 静岡県、山梨県
- 参照
- 参考サイト(外部リンク)
日本案内記原文
山頂で見られるもので、雲海の上に投影するものと空中に出現するものがある。前者は山の半腹若しくは裾野が白雲に掩はれた時、日出の後また日沒前に山の圓錐形をそのまゝに雲面が投げるもので薄墨色をなす。後者は天氣晴朗の日に太陽が沒せんとするにあたり、東方の空に漂ふ塵埃及水の微粒に山影を投げるもので、日の沈むに從ひ影は高まつて行く。