呉海軍工廠

吳海軍工廠
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

呉市の南部、呉湾の東部一帯の地を占める大工場です。昭和7年(1932年)末現在の職工数2万3,000人、総務、砲熕、水雷、電気、造船、造機、製鋼、潜水艦、砲熕実験、魚雷実験、電気実験および医務の13部からなります。製鋼部は海軍工廠中唯一であり、砲熕部および水雷部の規模はほかに比類なく、国内建造軍艦の防禦用甲板の全部、大砲ならびに弾丸および魚雷の大部分はここから供給されています。最近建造の軍艦に長門、赤城、那智があります。工廠は軍艦とともに一般観覧者の見学ができるようになっていて、普通約半日で観覧することができます。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
呉海軍工廠
かな
くれかいぐんこうしょう
種別
見所・観光
状態
現存しない
備考
戦後解散されています。

日本案内記原文

市の南部、吳灣の東部一帶の地を占むる大工場である。昭和七年末の現在職工數二萬三千人、總務、砲熕、水雷、電氣、造船、造機、製鋼、潛水艦、砲熕實驗、魚雷實驗、電氣實驗及醫務の十三部より成る。製鋼部は海軍工廠中唯一であり、砲熕部及水雷部の規模他に比無く、我が國內建造軍艦の防禦用甲板の全部、大砲竝に彈丸及魚雷の大部分はこゝから供給されて居る。最近建造の軍艦に長門、赤城、那智がある。工廠は軍艦と共に一般觀覽者の見學を許して居り、普通約半日で觀覽を濟まされる。

呉のみどころ