菩提寺の大イチョウ

菩提寺の公孫樹[指定天然記念物]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

津山駅の東北28km、因美線高野駅からは西北16km、豊並村高円字杉乢の菩提寺境内にあり、イチョウは本堂の東約100mの傾斜地に立つ雄株で、700年前法然上人の手植と伝えられ、石柵、石壁で囲み、幹の基部に接して小祠を安置してあります。根元の周囲約11m、ここから高さ1.2m弱のところの幹囲約10mです。地上3mほどの高処から数本の支幹に分かれ、また多くの横枝を出しています。本樹は多数の乳柱すなわち練木を生じません。岡山県内第一の巨木と称されています。菩提寺は数度の火災に遭い堂塔僧坊を灰燼に帰しわずかに草堂を残すのみですが、法然上人の遺跡として参詣者が少なくありません。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行

令和に見に行くなら

名称
菩提寺の大イチョウ
かな
ぼだいじのおおいちょう
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
岡山県勝田郡奈義町高円1532
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

津山驛の東北二八粁、因美線高野驛からは西北一六粁、豐竝村高圓字杉乢の菩提寺境內にあり、公孫樹は本堂の東方約一〇〇米の傾斜地に立つ雄株で、七百年前法然上人の手植と傳へられ、石柵、石壁で圍み、幹の基部に接して小祠を安置してある。根元の周圍約一一米、これより高さ一米二弱の所に於ける幹圍約一〇米である。地上三米許の高處から數本の支幹に分れ、また多くの橫枝を出す。本樹は多數の乳柱卽ち練木を生じない。岡山縣內第一の巨木と稱せられて居る。菩提寺は數度の祝融に遭ひ堂塔僧坊を灰燼に歸し僅かに草堂を殘すのみではあるが、法然上人の遺跡として參詣者が少くない。

津山のみどころ