奥津温泉

奧津溫泉
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

津山駅の北28km、吉井川の上流、泉ヶ山の西麓にあり、津山、院庄の両駅から自動車の便があります。温泉は字奥津、川西、大釣に湧出していますが、総称して奥津温泉といいます。無色清澄、無味無臭の弱塩類泉で、温度43度、胃腸病、リウマチ、婦人病、皮膚病などに効くといい、湯原と同じく河中に露天風呂があります。付近には名勝奥津渓、天然記念物の甌穴をはじめ、般若寺、鷲の巣城址、笠ヶ滝、鮎返りの滝、琴ヶ淵、千畳岩、天狗岩などの勝があり、万灯ヶ原、大神宮ヶ原には冬期スキーが行われます。この地の婦女の足踏洗濯は奇習として湯治者に面白がられています。旅館は河鹿園、東和楼、清涼園そのほか数軒。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行
奥津温泉の足踏洗濯

令和に見に行くなら

名称
奥津温泉
かな
おくつおんせん
種別
温泉
状態
現存し見学できる
住所
岡山県苫田郡鏡野町奥津
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の北二八粁、吉井川の上流、泉ケ山の西麓にあり、津山、院庄の兩驛から自動車の便がある。溫泉は字奧津、川西、大釣に湧出して居るが、總稱して奧津溫泉と云ふ。無色淸澄、無味無臭の弱鹽類泉で、溫度四三度、胃腸病、リウマチス、婦人病、皮膚病などに效くと云ひ、湯原と同じく河中に露天風呂がある。附近には名勝奧津溪、天然記念物の甌穴をはじめ、般若寺、鷲の巢城址、笠ケ瀧、鮎返りの瀧、琴ケ淵、千疊岩、天狗岩などの勝があり、萬燈ケ原、大神宮ケ原には冬期スキーが行はれる。この地の婦女の足踏洗濯は奇習として湯治者に興がられる。旅館 河鹿園、東和樓、淸涼園その他數軒。

津山のみどころ