豪渓

豪溪[指定名勝]
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

宍粟駅の北10km、池田村および大和村にあり、自動車の便があります。花崗岩から成っている槙谷川の峡谷で規模はあまり大きくないですが、500~600mの間両岸は絶壁または石柱を造り、天柱峰、圭嶂、盒子岩、劔岸、雲梯峰等はその著しいものです。一大岩面にある天柱の2字は江戸時代後期の文政の頃(1818~1830年)の儒者武元登々葊が刻んだものです。盒子岩は東西に長く南北に短い長方形の岩で屹立し、水平節理が極めてよく発達してあたかも箱を重ねたようであるから重箱岩ともいいます。雲梯峰は屏風を立てたようであって、一方は梯形をしています。河床には特に挙げるべきものもありませんが、三鈷潭と称して水平の岩盤上に水流の激するところがあります。この谷はサンショウウオの産地です。

※底本:『日本案内記 中国・四国篇(初版)』昭和9年(1934年)発行
豪渓

令和に見に行くなら

名称
豪渓
かな
ごうけい
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
岡山県総社市槙谷
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

宍粟驛の北一〇粁、池田村及大和村にあり、自動車の便がある。花崗岩から成つて居る槇谷川の峽谷で規模は餘り大きくないが、五、六百米の閒兩岸は絕壁または石柱を造り、天柱峰、圭嶂、盒子岩、劔岸、雲梯峰等はその著しいものである。一大岩面にある天柱の二字は文政の頃の儒者武元登々葊が刻んだ。盒子岩は東西に長く南北に短い長方形の岩で屹立し、水平節理が極めてよく發達して恰も箱を重ねたやうであるから重箱岩とも云ふ。雲梯峰は屏風を立てたやうであつて、一方は梯形をして居る。河床には特に擧ぐべきものもないが、三鈷潭と稱して水平の岩盤上に水流の激するところがある。この谷は山椒魚の產地である。

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