増上寺

增上寺
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

芝公園にあり、創建年代は明らかでありません。もとは今の麴町区平河町にあり、真言宗でしたが、室町時代の至徳2年(1385年)酉誉上人が浄土宗に改め源響上人の時徳川氏の菩提所となり、慶長3年(1598年)現在の地に巨刹を造営し、以来屈指の大寺院となりました。当時の建築物は多く焼失し、わずかに三解脱門と呼ばれる三門があるだけで、現在の本堂は大正10年(1921年)の建築です。

  • 宝物
  • 法然上人絵伝[国宝] 2巻 紙本著色 伝土佐吉光筆
  • 大蔵経 宋版[国宝] 5,356冊
  • 大蔵経 元版[国宝] 5,386函 5,931巻
  • 大蔵経 高麗版[国宝] 1,259冊 6,531巻
  • 五百羅漢像 100幅 紙本著色 狩野一信筆
  • 安土宗論 1部
  • 常楽院一件宗論状 1巻
  • そのほか約200点あり、毎年9月一般の観覧に供されています。

増上寺三解脱門[国宝] 増上寺の正面にあり、安土桃山時代の慶長10年(1605年)の創建で、江戸時代前期の寛永元年(1624年)に改築、元禄以後たびたび修繕を加えて現在に至っています。五間三戸朱塗の楼門で江戸時代初期における禅宗三門風の建築、雄大なもので、市内最古の大建築です。

※底本:『日本案内記 関東篇(初版)』昭和5年(1930年)発行
法然上人絵伝の一部(増上寺)

令和に見に行くなら

名称
増上寺
かな
ぞうじょうじ
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
東京都港区芝公園4-7-35
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

芝公園にあり、創建年代は詳かでない。もとは今の麴町區平河町にあり、眞言宗であつたが、至德二年酉譽上人が淨土宗に改め源響上人の時德川氏の菩提所となり、慶長三年今の地に巨刹を造營し、爾來屈指の大寺院となつた。當時の建築物は多く燒失し、僅に三解脫門と稱する三門あるのみで、現今の本堂は大正十年の建築である。

  • 寶物
  • 法然上人繪傳[國寶] 二卷 紙本著色 傳土佐吉光筆
  • 大藏經 宋版[國寶] 五千三百五十六册
  • 大藏經 元版[國寶] 五千三百八十六函 五千九百三十一卷
  • 大藏經 高麗版[國寶] 一千二百五十九册 六千五百三十一卷
  • 五百羅漢像 百幅 紙本著色 狩野一信筆
  • 安土宗論 一部
  • 常樂院一件宗論狀 一卷
  • その他約二百點あり、每年九月一般の觀覽に供する。

增上寺三解脫門[國寶] 增上寺の正面にあり、慶長十年の創建で、寬永元年に改造し、元祿以後度々修繕を加へて現今に至つて居る。五閒三戶朱塗の樓門で江戶時代初期に於ける禪宗三門風の建築、結構雄大、市內最古の大建築である。

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