信夫文知摺石

文字摺石
※現代の景観です。

昭和初期のガイド文

福島駅の東北約6km、岡山村山口にあり、福島電車岩谷観音前の東約2.5km、小丘の麓を一段低く切り下げたところに大きな花崗岩があり、周囲に柵が廻らしてあります。これが古来有名な文知摺石です。ここから丘を登ると観音堂の前に源融(河原左大臣)の詠んだ

みちのくのしのぶもぢずり誰故に 乱れそめにしわれならなくに

の歌碑が建っています。源融は平安時代の貞観6年(864年)中納言に拝し陸奥出羽按察使を兼ねた人です。文知摺石はこの歌によって名高くなりました。また丘の上には多宝塔が建っています。

※底本:『日本案内記 東北篇(初版)』昭和4年(1929年)発行
文知摺石

令和に見に行くなら

名称
信夫文知摺石
かな
しのぶもじずりいし
種別
見所・観光
状態
現存し見学できる
住所
福島県福島市山口文字摺68
参照
参考サイト(外部リンク)

日本案内記原文

驛の東北約六粁、岡山村山口にあり、福島電車岩谷觀音前の東方約二粁半、小丘の麓を一段低く切り下げた所に大なる花崗岩があり、周圍に柵が廻らしてある。これが古來有名な文字摺石である。こゝから丘を登ると觀音堂の前に源融(河原左大臣)の詠んだ

みちのくのしのぶもぢずり誰故に 亂れそめにしわれならなくに

の歌碑が建つて居る。源融は貞觀六年中納言に拜し陸奧出羽按察使を兼ねた人である。文字摺石はこの歌によつて名高くなつた。また丘の上には多寶塔が建つて居る。

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